米国株 ETF ガイド – 米国株 ETF 12本を紹介

米国株
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米国株式市場は過去10年間強気相場が続いており、新型コロナ肺炎の流行に伴いマーケットに揺れはあったものの、全体としては回復が早かったといえます。

米国に上場しているETF(上場投資信託)は、米国株を始めてみる投資家が、最初に利用するものである。怠け者、もしくは慎重派な投資家は、取引の利便性、リスクの分散、高い流動性、低い手数料に魅力を感じて、米国株 ETF を選んでいます。調査によると、マーケットに連動する ETF に、ルールをもって、一貫して投資を行うことで、判断ミスを回避し、目の肥えた株式投資家よりも、しばしば良いリターンを得ることができます。

今回は、人気の米国株 ETF 12銘柄を紹介し、その長所と短所を比較します。

目次

米国株 ETF 12本を比較

ETF名称ティッカーコード
Vanguard バンガード S&P 500 ETFVOO
SPDF S&P 500 ETFSPY
Vanguard バンガード Total Stock Market ETFVTI
Invesco QQQ ETFQQQ
ARK Innovation ETFARKK
Direxion Work From Home ETFWFH
Global X FinTech Thematic ETFFINX
ETFMG Prime Mobile Payments ETFIPAY
Schwab U.S. Dividend Equity ETFSCHD
SPDR Gold Trust ETFGLD
Vanguard Total Bond Market ETFBND
ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETFNOBL

VOO – 低い経費率 そして、長期的な上昇を見せる ETF

VOO は、インデックスファンドの大手投資会社であるバンガード社が発行する、S&P500指数に連動するように設計された ETF(上場投資信託)です。ウォーレン・バフェットも経費率がわずか 0.03% であるこのETFを絶賛しています。

VOO を買うということは、世界でもトップクラスの米国上場企業500社に投資していることになるので、このファンドは米国経済を反映していることになります。

多くの経験豊かな投資家は、マーケットに連動する ETF を購入する際に時間分散して、「常に一定金額を、定期的」に購入するドル・コスト平均法で投資することで、長期的なリターンは良好なものになるとしている。

近年は、米国株の強気相場の中で、VOO は急上昇しています。VOOは時折下落を見せるものの、すぐに回復し、再び高値を形成しており、この人気の高い長期投資理論を裏付けています。

ETF 名称Vanguard バンガード S&P 500 ETF
ティッカーコードVOO
運用会社バンガード グループ
経費率0.03 %
直近配当利回り1.57 %
5年トータルリターン14.02 %

SPY – 老舗の大型 ETF

SPY は1993年に設立された米国で最も歴史のある ETF で、VOO と同様に S&P 500指数に連動し、トレンドやリターンは似ています。一方、SPY の時価総額は VOO の2倍で、取引はより活発に行われています。

したがって、SPY は特に大口投資家や取引頻度の高い投資家に適しており、買値・売値のスプレッドを回避するのに役立血ます。しかし、SPY の経費率は 0.09 %と VOO よりはるかに高く、一般的に小口投資家にとっては、 VOO の方が適していると言われています。

ETF 名称SPDR S&P500 ETF
ティッカーコードSPY
運用会社State Street Global Advisors
経費率0.09 %
直近配当利回り1.54 %
5年トータルリターン14.28 %

VTI – 米国株式市場全体のパフォーマンスを反映する米国株 ETF

VTI は MSCI USブロードマーケット・インデックス に連動しており、その名の通り米国の株式市場全体を大小問わずカバーしています。そのため、ファンドの動きは米国株式市場全体のパフォーマンスを反映していることになります。

VTI は 3,500 以上の銘柄を対象としており、VOO や SPY よりも分散されています。上位の組入銘柄には Apple アップル、Microsoft マイクロソフト、Amazon アマゾン、Google グーグル、Facebook フェイスブックといった有名どころが含まれています。そして、幅広い資産分析を行っているため、株式 1 銘柄の下落が VTI の株価に大きな影響を与えることはありません。同様に、個別構成銘柄の急騰による VTI 自体の上昇は起こりにくいため、ポートフォリオの「アンカー」として適しています。また、VTI の長期的なリターンも素晴らしく、過去10年間で約2倍に上昇しています。

ETF 名称バンガード・トータル・ストック・マーケット ETF
ティッカーコードVTI
運用会社バンガード グループ
経費率0.03 %
直近配当利回り1.60 %
5年トータルリターン13.73 %

QQQ – テクノロジー銘柄のトレンドに乗るならこの ETF

QQQ は NASDAQ 100 指数に連動し、Apple アップル、Amazon アマゾン、Tesla テスラ、Google グーグル などおなじみのテクノロジー銘柄が 40 %以上を占め、経費率は 0.2 %です。

QQQ は米国テクノロジー株の上昇トレンドに牽引され、この1年で50%以上上昇し、2020年の下げ相場後は S&P500 に連動する VOO よりも早く回復しています。テクノロジー株が市場をリードする時代にあって、QQQ は長期的な成長を求める投資家に支持されています。

ETF 名称インベスコQQQ 信託シリーズ1
ティッカーコードQQQ
運用会社インベスコ
経費率0.20 %
直近配当利回り0.60 %
5年トータルリターン20.85 %

ARKK – アクティブ型 テクノロジー ETF

ARKK は、アークインベストメントが運用するアクティブ ETF で、主に遺伝子技術、産業イノベーション、Web x.0 の3分野を重点分野として投資しています。テスラ(TSLA)、アリババ(BABA)、CRISPRセラピューティックAG(CRSP)などのテクノロジー企業や、テクノロジーの発展による恩恵を受けるディズニー、チャールズ・シュワブなどを保有しています。

アクティブ ETF のパフォーマンスは運用者の判断に大きく左右されるが、ARKK は明らかに市場をアウトパフォームし、過去1年で2倍以上になりました。一部のネットユーザーは、このファンドのオーナーであるキャサリン・ウッドを「ファンドの母」と呼んでいるほどである。しかし、ARKK はインデックス ETF よりもボラティリティが高く、2020年に約半分に下落した後、上値を突破しています。2021年第1四半期にはテクノロジー株が急落し、ARKK は高値から20%以上下落しました。

ETF 名称ARK Innovation ETF
ティッカーコードARKK
運用会社アークインベストメント Ark Investment
経費率0.75 %
直近配当利回り
5年トータルリターン19.90 %

WFH – ホーム・エコノミー・コンセプト ETF

新型コロナウイルスの蔓延により、WFH(Work From Home 在宅勤務)が世界的なトレンドになっています。WFH ETFは、Zoom (ZM)、Twilio (TWLO)、Okta (OKTA) などの関連銘柄に投資しており、2020年6月の発売以来、好調に推移していました。

各国がワクチン接種が進んでいる中、ホーム・エコノミーの行方はどうなるのでしょうか。短期的には、在宅勤務のトレンドの恩恵を受けた Zoom のような企業は、2020年に見られたような成長が繰り返されることはないでしょう。しかし、これらの SaaS サービスはビジネス上必要なものとなっており、長期的に需要が伸び続けるという見方もあり、個人投資家が関連事業に分散投資できるのが WFH ETF の特徴となっています。

ETF 名称Direxion Work From Home ETF
ティッカーコードWFH
運用会社Direxion Shares ETF Trust
経費率0.45 %
直近配当利回り3.25 %
5年トータルリターン

FINX – フィンテック ETF

モバイル決済、P2P 融資、金融データ分析ツール、暗号コインなどを含むフィンテック(金融技術)は、世界中の金融サービスに革命を起こしています。

FINX は Indxx Global Fintech Thematic Index を追跡しており、主な保有銘柄には米国の金融データサービス会社 Fiserv、オランダの決済プラットフォーム Adyen、おなじみの PayPal などがあります。この ETF は2016年に発売されたばかりですが、従来の金融セクターよりも早く成長し、回復しています。 当ファンドの経費率 0.68 %は、米国のパッシブ ETF の中では高い方です。

ETF 名称Global X FinTech ETF
ティッカーコードFINX
運用会社Global X Management
経費率0.68 %
直近配当利回り15.36 %
5年トータルリターン12.83 %

IPAY – モバイル決済にベットする ETF

誰もが金融技術を理解していないかもしれませんが、オンラインショッピングやモバイル決済はとっくに私たちの生活の一部になっています。特に新型コロナウイルスの感染が広がって以降、ネットショッピングや非接触型決済ツールの普及が進んでいます。

IPAY は、PayPal (PYPL)、Visa (V)、Mastercard (MA)など、決済サービスやソリューションを提供する企業に投資する ETF です。IPAY の業績は好調ですが、似通った性質の企業に投資しており、リスク分散効果には期待できません。

ETF 名称ETFMG Prime Mobile Payments ETF
ティッカーコードIPAY
運用会社ETF Managers Group
経費率0.75 %
直近配当利回り
5年トータルリターン10.83 %

SCHD – 長期保有と配当収入を狙うならこの ETF

SCHD は Dow Jones U.S. Dividend 100 Index に連動し、ディフェンシブな消費財、テクノロジー、工業製品を保有し、モーニングスターから5つ星の評価を受けています。約 3.57 %の安定した配当利回りと低い経費率を有しています。

米国株で配当収入を得たいが、何を選べばいいかわからないという方には、SCHD は手堅い選択だと思います。また、強気相場では、配当収入のよるインカムゲインと価格上昇によるキャピタルゲインのどちらででも稼ぐことができます。

米国株の配当金に対しては、アメリカにて 10 %の税金が差し引かれるため、配当金のリターンは割り引かれたものになる点に留意が必要です。

ETF 名称Schwab U.S. Dividend Equity ETF
ティッカーコードSCHD
運用会社Charles Schwab Investment Management
経費率0.06 %
直近配当利回り3.21 %
5年トータルリターン14.81 %

GLD – 金に投資するならこの ETF

経済の先行き不透明感や市場のリスク回避志向の高まりから、金価格は上昇トレンドにあります。米国の株式市場で金に投資する場合、金 ETF への投資は最もポピュラーな選択肢の一つです。現物の金やペーパーゴールドを取引するよりもはるかに簡単です。2020年から金価格が上昇しており、多くの投資家から関心を集めています。

ETF 名称SPDR Gold Shares ゴールド・シェア
ティッカーコードGLD
運用会社State Street Bank and Trust Company
経費率0.40 %
直近配当利回り
5年トータルリターン9.00 %

BND – リスク・バランスをとるならこの ETF

BND は、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合フロート調整指数に連動する債券 ETF です。主に公共債、投資適格社債、米ドル建ての国際債に投資し、多くが中期の債券となっています。これにより、投資家に低コストで米国債券市場に対する幅広いエクスポージャーを提供しています。

株式 ETF と比較すると、BND の地位はあまり高くありませんが、安定しており、かつ、利息収入を得られるという利点もあります。ですので、ポートフォリオ全体のリスクバランスをとるのに適しています。

ETF 名称Vanguard Total Bond Market Index Fund ETF Shares
ティッカーコードBND
運用会社バンガード グループ
経費率0.04 %
直近配当利回り1.94 %
5年トータルリターン2.34 %

NOBL – 配当貴族の ETF

米国の株式市場には、いわゆる「配当貴族」が存在しています。S&P500 構成銘柄のうち、25 年連続で配当金を増やし、所定の時価総額と回転率の要件を満たした株式を指します。これらには、コカ・コーラ(KO)、AT&T(T)、マクドナルド(MCD)などで含まれています。これらの株式は、長い増配の歴史を持ち、財務・業績が堅実な優良企業であることは間違いありません。

NOBL は分散投資と配当増額という両方のメリットを備えています。ただし、銘柄選択には、ニューエコノミー銘柄の急成長株が欠けています。その結果、NOBL の株価はテクノロジーブームの時代には平凡なものとなり、マーケットに追随する VOO にも及びません。しかし、伝統的なオールドエコノミーは新型コロナウイルス収束後に、大きく立ち直るという見方もあり、その潜在力は侮ることはできません。

ETF 名称ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF
ティッカーコードNOBL
運用会社ProShares Trust
経費率0.35 %
直近配当利回り2.74 %
5年トータルリターン12.35 %

まとめ:米国株 ETF 12本の比較表

経費率直近配当利回り5年トータルリターン
VOO0.03 %1.57 %14.02 %
SPY0.09 %1.54 %14.28 %
VTI0.03 %1.60 %13.73 %
QQQ0.20 %0.60 %20.85 %
ARKK0.75 %19.90 %
WFH0.45 %3.25 %
FINX0.68 %15.36 %12.83 %
IPAY0.75 %10.83 %
SCHD0.06 %3.21 %14.81 %
GLD0.40 %9.00 %
BND0.04 %1.94 %2.34 %
NOBL0.35 %2.74 %12.35 %
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