投資目的とリスク許容度、および、投資における制約

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投資目的とリスク許容度

投資の第一歩は、投資目的の形成であるべきです。投資目的について聞かれた時に、多くの投資家の方は、お金を増やしたい、と言われることでしょう。そして、どれくらい増やしたいと聞かれると、多ければ多い程、良い、と答えられるでしょう。しかしながら、この回答は十分なものとは言えません。

投資目的は、投資家の方の個人的な要望、リスク許容度と投資の制約を考慮した上で、具体的であり、現実的である必要があります。個人的な投資リターン目標は絶対的、または相対的なパーセントで表すことも出来ます。例えば、投資目的は年平均15%を達成する、または、今後10年に渡り、インフレ率の1%上を目指す、ということになります。また、一般的な到達点の形でも表すことが出来、例えば、資産価値上昇、資産保護などです。

投資目的を設定する中で、リスク許容度はとても重要な要素です。リターンはリスクに応じるといったトレードオフの関係を見ましたが、高いリスクには高いリターンが付いてきます。リスク許容度を理解することが、現実的な投資目標を設定する前に必要になります。

リスク許容度とは、期待しているリターンを増やすにあたり、投資家が取ることが出来る損失の最大量です。個々の投資家が、更なるリターンを高める機会の為に、投資において、おかす準備があるリスクの度合いであるリスク許容要素を持っていると言われています。同じリターンを持つ投資案件が2つあるとして、より多くのリスクを持つ投資よりも、より少ないリスクの投資を好む投資家は、リスク回避型投資家として知られています。

リスク許容度に応じた投資家の標準的な分類はこのようになります。

  • 消極的:高いリターン率よりも、資産保護により関心がある投資家です。リスク回避型投資家としても表現されます。
  • 積極的:リスクを受け入れ、より良いリターンの機会を求める準備がある投資家です。リターンの変動と、短期的には損失を被ることもあります。
  • バランス的:その中間。リスクの程度が受容できるのであれば取るが、資産の保護が重要であることは変わらない。

一般的には、人生のステージ毎によっても、リスク嗜好性が異なります。年齢を重ねるにつれ、投資家の投資戦略はいつも新しい目標や環境に合うように調整されます。一方、個人のリスクをとれる能力もリスク許容度に影響します。一般的に、より多くの資産を持つと、少ない資産保有者に比べ、より高いリスクを許容できるようになります。

投資家の方がご自身のリスク許容度を計ることが出来るテストが多く開発されています。投資の前に、許容度をより良く理解する為に、そのようなテストを受けてみるのも悪くない考えです。

投資における制約

リスクに制限を設け、リターン目的を決定する投資目標やリスク許容度の他に、その他の要素にも影響を受けます。投資を決定する前にそれらの要素についても考慮しておく必要があります。それらの要素とは、流動性、時間軸、税金です。

投資における制約

  • 流動性
  • 投資時間軸
  • 税金

流動性

流動性とは価格について大きく譲歩することなく、資産を直ぐに売却できることを指します。

流動性が無い資産の例として、骨董品があげられます。良い骨董品を保有していても、1時間以内に売らないとすれば、かなり低い価格で売る羽目になるでしょう。もし、オークションが出来るぐらい時間的な余裕があれば、間違いなく高値で売却できることでしょう。

一方、香港上海銀行の株式が百万ドル分あるとします。1時間以内に売却するとなっても、恐らく、直前に香港上海銀行の株式を売却した人と近い価格で、売却することが出来るでしょう。

投資の計画にあたって、投資家がどれだけの流動性を必要とするのかを考慮しておく必要があります。長期的な投資目標を持つ若い投資家であれば、流動性は低くても大丈夫でしょう。一方、年金で生活する退職された方は、定期的な現金収入が必要となるでしょう。後者の投資家だと、ポートフォリオに短期金融市場資産といった流動のある証券を組み入れるべきでしょう。

投資時間軸

これは投資家が投資を行おうとする時間の期間のことです。投資家の目的、年齢、そして現在の財務状態により変わります。ほとんどの投資物件は一般的に以下の期間に分類することが出来ます。

  • 短期:1年未満
  • 中期:1年以上5年未満
  • 長期:5年超

既に見た通り、時間はリスクを相殺する要素であります。リスクを抑制する戦略の一つは短期の価値の変動を無視(熱くなりすぎず、心配もし過ぎず)して、長期的に見ることです。歴史的に、長く投資している程、マイナスのリターンを経験しにくいことが一般的に知られています。

短期的な時間軸で行う投資家は、資産を最適でない時期に、流動化しなくてはいけなくなるかもしれないので、リスクが高い投資を避けるべきです。長期的な時間軸で行う投資家は、下落や損失はその後に回復することが出来るので、より大きなリスク許容性を持っています。

税金

個人所得税は個人の課税所得を元に課される税金です。国や地域によっては、投資による利益に対して、個人所得税の課税対象とならないところもあり、居住地を移す資産戦略を取ることもあります。

相続税も国や地域によっては、課されないところもあります。そのため、相続税対策として、居住地を移す資産戦略を取ることもありますが、日本居住者だった場合は、一定期間は相続税の課税対象となったままですので、注意が必要です。

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